●録音のポリシー●
多くのスタジオが考えていることかとも思いますが、Wanskの録音は「いい演奏を引き出すこと」を目標にしています。言うなれば音は2の次。
音が悪くても演奏がよければ聞く人は良い作品と感じるでしょう。
逆にいくら良い音で録れていたとしても、演奏が悪ければ悪い作品になってしまいます。
Wanskでは、まだその方法の確立にはいたっていないのですが、なるべく良い演奏を引き出せるように日々考えております。というかそういう心がけでやっております。

とかいいつつも音にこだわる理由
音は二の次です。ですが音が良いに越したことはありません。
ではでは、どんな音が良い音なのでしょうか?
「良い音」の定義はいろいろあると思いますし感じ方は人それぞれだと思うのですが、録音での話に限定した場合、「生音に近い」ということが良い音の基準になるのではないでしょうか?
Wanskでは「良い音=生に近い音=リアルな音」だと考えて、良い音を目指しています。
リアルな音は演奏に込めた意思や、緊張感、などをより正確に伝えることができます。
逆に
リアルでない音は、演奏者と聞き手の間に壁を作ってしまいます

リアルな音を作品にするために
リアルな音を再現するために、Wanskでは特に二つのことに気を使っています。
それは「ダンピングファクター(?)」と「位相」です。
ダンピングファクター(?)
録音では音響機材を使います。つまり、空気の振動をそのまま扱うのではなく、空気の振動を一旦電気信号や、デジタル信号に変換するのですが、機材よっては、実際の空気の振動に対して反応が遅かったり、空気の振動が止まっているのに、余韻で振動し続けたりします。
wanskのスタッフは、録音する音に対して「
正確に反応し、止まるべきところでびしっと止まる機材」を選定できるよう日々耳をトレーニングして録音に活かしています。
ちなみにダンピングファクターの後に(?)が付いているのは、そういうことをダンピングファクターというのかどうかよく分かっていないからです・・・。無念。
位相
人間は2つの耳で音を聞きます。ですが録音はそれ以上の数のマイクで音を拾うことが多く、それは「不自然な音」の原因になりやすいです。
2本のマイクで録音する場合でも、その2本の位置関係によってはナチュラルでない音になってしまいます。
Wanskのスタッフは「位相感」を聞き分けるトレーニングを重ね、いろいろなテクニックを駆使し、
さながら2つの耳で聞いているようなサウンドを目指しています。

ダンピングファクター(?)や、位相に気をつけた作品はより聞き手の心に届きやすいはずです。


●環境●

★ブースについて
ブース4つとミキシングルームが一つです。
グランドピアノがあるAstudio。ドラムをとったり、一発録りするためのちょっと広めなBstudio、雑多な響きのするCstudio、廊下を兼ねてていてミキシングルームの横にあって便利なボーカルブース。
A,B,Vocal boothはデッドな録音が流行っていた時代にその時代のスタジオ設計のトップだった(らしい)ビクターの設計です。
最近では広い部屋で響きを混ぜた音の録音が流行っているかと思いますが、うちクラスの広さでライブな部屋鳴りにしてしまうと、どうしても表現の幅が狭くなってしまいます。なので、「このクラスの広さ」ということで考えると部屋の鳴りは最高です。(多分)
Cstudioもなかなか面白い響きが取れます。



●録音機材●

★レコーダーへのこだわり
WanskStudioは最初にAKAIのDR8(48khz,16bit)×3台で録音業務を開始しました。DR8は数字的にみるとそれほど優れたレコーダーではないのですが、「多分音楽が好きな人が設計してるんだろう」と思わせる、非常に暖かくて音楽的な機械でした。
DR8で数年間作業していたのですが、やはり24bitの音に対応していく必要が出てきて、DR16pro(48KHZ,24BIT)に代えました。
DR16ProもDR8の流れを受け継いだ素晴らしいマシンです。
(途中で、MACKIEのHDR24/96、SDR24/96も導入しましたが、うちのスタジオで録音する音にどうもなじめず、今ではライブレコーディング専用マシンとして活躍しております。)
DR16proの時期が数年間あったのですが、世間はパソコンでの録音が主流になってきました。
Wanskでもパソコン録音ならだいぶ作業も早くなるし、何かとお得なんで取り入れることを検討したのですが、使用するシステム・ソフトを決めることが出来ずにずるずると。
そんなこんなで、時代に乗り遅れながらもDR16proで作業していました。

さらにそんなこんなで、2年ほど前にやっと納得できるソフトに出会うことが出来ました。ドイツの会社MAGIXのsamplitudeです。
samplitudeのミキサーは本当に素晴らしいです。特にMIXERがたまらんのですが、それ以外にもリバーブ、コンプレッサー、ピッチ修正・・・・・etc、(GATE以外)の機能も素晴らしいです。
このソフトを開発している方々の心意気を感じずにはいられません。


★オーディオインターフェースへのこだわり
オーディオインターフェースはドイツのRME製を使用しています。この会社も非常に音に対するコダワリを感じさせる大好きなメーカーです。
是非ともホームページでそのコダワリ具合を見てみてください。
ということで、現在はsamplitudeとREMを中心にしたシステムを使っております。


●ProToolsを使用しない理由
Protoolsでのデータ持込、編集のリクエストが非常に多いのですが、WanskではProtoolsは使用しません。
もしかしたら、最新の最上位のProtoolsのシステムを利用すれば納得がいく音で録音できるかもしれませんが、まぁ、採算が合いません。他のProtoolsを使用している録音スタジオにエンジニアとして行く事もありますが、私が触ったことがある範囲でのProToolsの音は好きではありません。。。といった理由でProToolsは使用しておりません。

なので、Protoolsで編集したMIXデータ(PAN,FADER等のデータ)を細かく修正していく、とか、Wanskで編集したMIXデータを他のprotoolsスタジオに持って行って手を加える、ということができません。
データのやりとりをする場合はスタートポイントを揃えたオーディオデータでやることが多いです。


★その他の機材の選定について
録音して最終的に作品になった時の音の差は小さなコダワリの積み重ねの差だと考えています。
なので、使用する機材は、なるべくこだわりを感じさせるメーカーの、振動に対して正確な反応をする一品を選ぶように心がけております。
残念ながら、予算的な問題で、すべての機材、ケーブルが納得のいくものにはなっていませんが、こだわるべきところにはなるべくこだわりの一品を導入できるように考えております。


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